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ピストンリング博物館

ピストンリングの機能

B-6 オイルリング

物が滑りやすくするのに潤滑油(エンジンオイル)の役割は、非常に大きく大切です。ピストンリングとシリンダー、この摺動摩擦(しゅうどうまさつ)※1を減らすのに、オイルが欠かせません。だからといって、たっぷりオイルを使い過ぎてはいけないのは当然のことです。ピストンリングの摺動に必要にして、最小限のオイルを確保する、こういう重要な機能を持っています。

オイルリングの外観形状

オイルリングの外観形状

組み立てられているのがわかりますか。3ピースオイルリングと言って、全体でピストンの一つの溝に組み込まれて機能を発揮します。

組み立てられた状態で、外径φ86mm×幅2.0mm×厚さ2.5mmなどと呼び寸法の表示をします。

サイドレールの断面形状

上下の薄い板状のリングをサイドレールと称しており、1枚が約0.4mmほどの厚さです。これが上下2枚使われます。
外周がシリンダ内壁に接して滑ります。外周の摺動面は、やはり、窒化処理や、IP(PVD)法によるCrN(窒化クロム)被膜、あるいはクロムメッキ皮膜になっています。

スペースエキスパンダの外観形状

スペーサエキスパンダ(以下スペーサ)は波形になっています。これでスプリング(バネ)の働きをします。前記のサイドレールを、シリンダー壁に押しつける役目を果たします。

オイルリング

そうです、上下2枚のサイドレールとその間のスペーサがセットになってオイルリング1式を構成します。3ピースと言われる所以です。

2ピースオイルリング

次に、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンの一部に使われる2ピースタイプを紹介します。
下図は、DVM型と称するオイルリングです。断面形状が横M字型の本体と円形のコイルエキスパンダより構成され、軽量でオイルコントロール作用が良好、オイル消費の少ないのが特徴です。

2ピースオイルリング

  • ※1 ピストンリングの外周面がシリンダ内周面を滑る時の抵抗のこと。