ピストンリングの機能
B-1 ピストンとの組合せ
エンジンからピストンセットを取り出してご覧に入れます。
多くの場合、ピストン1個に3本のピストンリングが使われています。3本1セットということになります。最近のエンジンは、4気筒(4シリンダー)か、6気筒(6シリンダー)で構成されています。
それでは、4シリンダーのエンジンでは、何本のピストンリングが使われることになるでしょう?そうです、4×3=12本です。これが、自動車1台に使われるリングの本数と考えてよいのです。1セット3本のピストンリングは、それぞれどんな働きを受け持っているでしょうか。それぞれ、個性のある機能を発揮し、それにふさわしい材質、形状、表面処理を行っているのです。
リングの3本セットをご覧ください。
上から、トップリング、セカンドリング、オイルリングです。
あれ、何で上2本は、合い口※1が開いているの?と初めての方で疑問を持たれたら、かなりの観察眼をお持ちです。オイルリングの内側に着いているものは何かな?これも同様な疑問です。そうです!!!これらはバネ機能として似たような働きをするのです。合い口を閉じて、ピストンに組み、シリンダーに装着します。開こうとする力(張力と言います)で、シリンダー壁に密着します。シリンダー壁全周に均一になじんで、長期間使用でも安定的な機能を発揮します。